改訂新版 世界大百科事典 「ジーゲル」の意味・わかりやすい解説
ジーゲル
Carl Ludwig Siegel
生没年:1896-1981
ドイツの数学者。ベルリン大学,ゲッティンゲン大学に学び,フランクフルト大学教授を経て,1938年ゲッティンゲン大学教授になったが,第2次世界大戦が始まるとドイツを去り,40年アメリカに渡り,プリンストン高等研究所の所員になった。戦後再びゲッティンゲン大学に戻った。整数論の広い範囲にわたって多くの重要な業績を残したが,とくに整数係数の二次形式の整数表現に関するミンコフスキーの結果を不定符号の場合をも含む形に一般化した公式はジーゲルの公式と呼ばれ有名である。二次形式の理論と関連してジーゲルによって考え出された多変数の保型形式はジーゲルの保型形式と呼ばれ,保型関数論において重要な研究対象になっている。また不定方程式,解析的整数論,ゼータ関数の研究などにも大きな貢献をした。
執筆者:斎藤 裕
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報