改訂新版 世界大百科事典 「スクアルチオーネ」の意味・わかりやすい解説
スクアルチオーネ
Francesco Squarcione
生没年:1397ころ-1468
イタリアの画家。パドバに生まれ,30代半ばまでは仕立屋を営む。画家としての経歴は不詳で,彼の作とされる2点の凡庸な作品が残るのみである。彼は,養子にしたA.マンテーニャ,C.トゥーラ,スキアボーネSchiavone(1434ころ-1504),ゾッポMaro Zoppo(1433-78)ら,いわゆるパドバ派の画家たちの師であった。しかし,彼らとの雇用関係をめぐる係争の記録が残されており,その師弟関係の実態は必ずしも明らかでない。またイタリアとギリシアを旅行して古代美術を収集し,弟子たちの教育に用いたとされるが,確証はなく,近年ではむしろ,その古代研究はパドバの人文主義の伝統に負うものとされる。
執筆者:鈴木 杜幾子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報