スタイルフォルスコルダタス(読み)すたいるふぉるすこるだたす(その他表記)tube eye

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

スタイルフォルスコルダタス
すたいるふぉるすこるだたす
tube eye
thread-tail
[学] Stylephorus chordatus

硬骨魚綱アカマンボウ目スタイルフォルス科に属する海水魚。ほとんど世界中に分布するが、日本からは報告されていない。英名でtube eyeまたはthread tailといわれるように、目は管状に突出して前上方を向き、長い尾びれをもつ。体はリボン状で、背びれは頭の後端部から尾柄(びへい)まで伸びる。臀(しり)びれ基底は短く、体の中央部にある。尾びれの下葉から2本の長い軟条が伸びる。口は小さく管状。水深300~800メートルの中深層にすむ。体を垂直に立てて泳ぎ、管状眼を双眼鏡のようにして上方にいるコペポーダなどのプランクトンを探し、距離を測り、口を突き出す。頭をもち上げると、口と頭蓋骨の間にある蛇腹状の膜が袋状に膨らみ、その時にえさを水といっしょに一気に吸い込む。口の中の容積は閉じているときの38倍以上になる。リュウグウノツカイなどと同じアカマンボウ目の魚であるが、2007年のDNA研究から、タラ目の近縁とする説もある。

[尼岡邦夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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