スティル病(読み)すてぃるびょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スティル病」の意味・わかりやすい解説

スティル病
すてぃるびょう

小児の慢性関節炎の古典的な病名で、若年性関節リウマチの全身型に対する通称名として用いられることがあった。

 1897年にイギリスの小児科医スティルGeorge Frederic Still(1868―1941)が小児の多発性関節炎の一型として報告したのが最初である。スティル病の本来の報告内容は、発症が急激で全身症状が激しく、発症年齢は幼児期で、次の三つの特徴をもつものである。すなわち、(1)手、足、膝(ひざ)、指などの関節に腫脹(しゅちょう)・発赤を生ずる多発性関節炎、(2)全身性の障害関節の近くのリンパ節腫脹、(3)脾(ひ)腫、ときに肝腫大、の三つで、これらの症状に加えて弛張(しちょう)熱、発疹(ほっしん)を伴うことが多い。

 ちなみに、2008年現在、国際的に若年性間接リウマチ若年性特発性関節炎とよぶようになっている。

[山口規容子]

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