スティールヤード(その他表記)Steelyard

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スティールヤード」の意味・わかりやすい解説

スティールヤード
Steelyard

13世紀以降,北ドイツの諸都市によるハンザ同盟商人たちが,ロンドンのブラックフライヤーズの近くにつくった居留地。すでに 12世紀にはケルンハンザ商人が,将来のスティールヤードの中核になる商品陳列のホールをもち,イングランド王ヘンリー2世,リチャード1世の保護と種々の権利を得ていた。 13世紀になると,リューベックハンブルクや東部ドイツの町々の商人もこれに合流して盛んに商取引を行なった。しかしスティールヤードの商人の特恵的地位関税が軽いことなどに,イギリス商人が激しく不満を示すようになり,1598年エリザベス1世は,ついにスティールヤードの閉鎖を命じた。

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世界大百科事典(旧版)内のスティールヤードの言及

【ハンザ同盟】より

…ハンザ貿易の特色は多数の中小資本の結集を背景に海外各地で特権を獲得し,北方貿易を独占したところにある。各地に商館を設けて貿易活動の拠点としたが,中でもノブゴロドベルゲン,ブリュージュ,ロンドン(スティールヤード)のそれは四大商館として名高い。ハンザ貿易に工業生産の背景が欠けていたといいきるのは無理であるにしても,概していえば東西間の中継貿易がハンザ貿易の中心となっていた。…

※「スティールヤード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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