日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
スミソニアン・インスティチューション
すみそにあんいんすてぃちゅーしょん
Smithsonian Institution
アメリカ、ワシントン市に中心施設をもつ特殊学術機関。1835年アメリカ大統領は議会に対して、「イギリスの化学・鉱物学者スミソンJames Smithsonから、人類の知識の増進と普及を図るためとして10万ポンドの寄付があった」と報告、この申し出は数年の議論を経て、1846年に基本計画ができて実現した。計画では、研究の促進のために学問的成果に懸賞金を出す、調査研究に対して研究資金を出す、知識の普及のために定期刊行物・専門書を発行する、施設のなかには図書館・博物館・画廊などを含める、などが考えられた。その初期には、天文・気象・民族・考古・美術などに関する研究センターとして多大な成果を収めた。今日、多岐にわたる分野の博物館を中心に、放射線生物学研究所、熱帯研究施設、科学情報交換部など多くの分野の施設が設置されており、国際的にも注目されている。
[雀部 晶]