改訂新版 世界大百科事典 の解説
スリ・ジャヤワルダナプラ・コーッテ
Sri Jayawardenepura Kotte
スリランカの前首都コロンボの南東部に隣接する新首都。人口12万(2001)。ポルトガルの植民地になる直前の14~16世紀に,シンハラ王国の首都であった。植民地時代は,コーッテKotteという地名で知られていたが,〈勝利をもたらす都〉という意味の古名が,たまたまJ.R.ジャヤワルダナ大統領(1982年就任)の名前と共通するので,復活して用いられるようになった。大統領の発案で,新しい国会議事堂が建設されることになり,その完成をまって1983年より徐々に,首都機能がコロンボから移された。日本政府の無償協力プロジェクトの一環として,1001床のベッドをもつスリ・ジャヤワルダナプラ病院が建設され,85年以降,教育省を第一に主要官庁の移転が進められた。これらの建設事業により,コロンボのベッドタウンから,スリランカ政治の中心へと急速な変貌をとげている。
執筆者:中村 尚司
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報