スワンズコム人(読み)スワンズコムじん(その他表記)Swanscombe man

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スワンズコム人」の意味・わかりやすい解説

スワンズコム人
スワンズコムじん
Swanscombe man

イギリス南部,ケント県スワンズコムのテムズ川中位段丘で発見された頭骨。 1935年に A.マーストンによって後頭骨が発見され,のち2回にわたって両側頭骨が別々に発見された。脳容量は約 1300cm3と推定され,骨は厚いが頭は丸く高いなど,現生人類とよく似た特徴をもつ。一方,大後頭孔は狭く長く,また後頭骨の底部が広く,中硬膜動脈の分枝型は現生人類と異なっている。伴出した動物骨により第3間氷期に属するといわれ,前期旧石器時代アシュール文化遺物を伴う。一般的ネアンデルタール人類に属するといわれるが,フォンテシュバードシュタインハイム人骨とともに,プレサピエンスであるともいわれる。資料が十分でないため,人類進化上の位置を決めるのは困難である。

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