ずりこむ

精選版 日本国語大辞典 「ずりこむ」の意味・読み・例文・類語

ずり‐こ・む

(「ずり」は「す(摩)り」の変化したもの)
[1] 〘自マ五(四)〙
① 滑るようにして落ちこむ。すべりこむ。ずってはいる。にじりこむ。ずるずるとはいりこむ。
※俳諧・本朝文選(1706)一〇・頌類・俳諧頌〈李由〉「火燵にずり込み、障子の穴に雪霙を吟じては、余所の寒さを侘たり」
※思ひ出す事など(1910‐11)〈夏目漱石〉二八「話がつい人相とか方位とか云ふ和尚の縄張り内に摺(ズ)り込(コ)んだので」
人込みの中へもぐりこむ。混じってはいる。
滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)五「コリャわりさまは、わざとこちのなかまへずりこんで、太々講をくひたをししょふでな」
[2] 〘他マ四〙 ひそかに取る。盗む。隠匿する。
歌舞伎蔦紅葉宇都谷峠(文彌殺し)(1856)序幕此上は諸事万端引受けて、普請奉行お金方、役徳は皆ずり込(コ)み」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android