デジタル大辞泉
「余所」の意味・読み・例文・類語
よそ【余▽所/他=所/▽外】
1 ほかの所。別の場所。また、関係のない離れた所。他所。「―から来た人」「―を向く」「どこか―の店にいこう」
2 自分の家以外の所。また、自分の所属している団体以外の所。「―の会社の人」「今夜は―に泊まる」⇔内。
3 自分には直接関係のないこと。関心のないこと。また、そのもの。「騒ぎを―にけろりとしている」
[類語]他・ほか・別・他所
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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よそ【余所・他所・外】
- 〘 名詞 〙 自分とは別の世界に属すると認識される物事や人。また、そういう対象に対して抱く心情やそれに対してとる態度などを表わす。
- [ 一 ] 身近でない所。かけ離れた所。
- ① 離れた所。かけ離れていて、関係のない所。
- [初出の実例]「いつしかも見むと思ひし粟島を与曾(ヨソ)にや恋ひむ行くよしをなみ」(出典:万葉集(8C後)一五・三六三一)
- 「キツネガ yosocara(ヨソカラ) コレヲ ミテ」(出典:天草本伊曾保(1593)獅子王と、熊との事)
- ② ほかの場所。べつの所。
- [初出の実例]「外(よそ)にゐて恋ひつつあらずは君が家の池に住むとふ鴨にあらましを」(出典:万葉集(8C後)四・七二六)
- 「貝をおほふ人の、我まへなるをばおきて、よそを見わたして」(出典:徒然草(1331頃)一七一)
- ③ 外部。外がわの方。
- [初出の実例]「御涙に咽ばせ給ふと計こそ、御車のよそへは聞えけれ」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)下)
- [ 二 ] 直接のつながりがないこと。疎遠な関係。
- ① 関係や関心がないこと。無縁な存在。ひとごと。
- [初出の実例]「昔こそ外(よそ)にも見しか吾妹子が奥つ城と思へば愛(は)しき佐保山」(出典:万葉集(8C後)三・四七四)
- 「申さばそちとは相弟子同前、夫故余所には思はねど」(出典:歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)(1859)四立)
- ② 間接的な関わり方。直接ではないさま。
- [初出の実例]「年ごろよそにはつかうまつれど、近くはいまだつかうまつらず」(出典:伊勢物語(10C前)七八)
- [ 三 ] 親密でない人。また、うちとけない仲。
- ① 血縁関係がない間柄。また、男女関係や夫婦関係などがないこと。
- [初出の実例]「よそにても心ざし侍りしを、今はましてなん」(出典:落窪物語(10C後)四)
- ② 世間一般の人。局外者。
- [初出の実例]「よそのもどきを負はざらむなむよかるべき」(出典:源氏物語(1001‐14頃)椎本)
- 「人めもはばからず、よそのおもはくをもかへりみず」(出典:評判記・難波物語(1655))
- ③ ほかの集団。他の家。他の流派。
- [初出の実例]「鬼の能、ことさら当流に変れり。拍子も、同じものを、よそにははらりと踏むを、ほろりと踏み、よそにはどうど踏むを、とうど踏む」(出典:申楽談儀(1430)よろづの物まねは心根)
余所の補助注記
「万葉集」の「ヨソ」に「余所(処)」の表記が一例も見えないところから、「余所」は中世以降の当て字と思われる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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