セイヨウネズ(その他表記)Juniperus communis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セイヨウネズ」の意味・わかりやすい解説

セイヨウネズ
Juniperus communis

ヒノキ科の常緑高木で,漢名のトショウ (杜松) の名でも呼ばれる。ヨーロッパ各地からサハリンにかけて広く分布し,丘陵の陽地に生える。枝は横に出て古木では小枝が垂れ下がる。針葉が3枚ずつ輪生し,上面は平らで中央に1本の白い筋がある。雌雄異花で春に開花する。球果は厚肉質で先端に3つの突起があり,初めは緑色,熟すると紫黒色になる。これを杜松子 (としょうし) といい利尿剤にする。またジン (洋酒) の香味をつけるのに用いる。

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世界大百科事典(旧版)内のセイヨウネズの言及

【ネズ】より

…ネズミサシ属は北半球に約15種があり,ビャクシン属Sabina約45種をこれに含めることもある。日本には,九州以北サハリンまでの海岸に生える匍匐(ほふく)性のハイネズJ.conferta Parl.,本州北部の高山に生える低木性のミヤマネズJ.communis L.var.nipponica (Max.) Wils.と北海道の高山からシベリアにかけて分布するリシリビャクシンvar.saxatilis Pall.があり,両変種の母種セイヨウネズ(英名common juniper)は北半球に広く分布し,幹が立って,ときに高さ6~7mに達する。その球果を入れた蒸留酒がジンである。…

※「セイヨウネズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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