日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒノキ科」の意味・わかりやすい解説
ヒノキ科
ひのきか
[学] Cupressaceae
裸子植物。常緑高木または低木。葉は針形または扁平(へんぺい)な鱗片(りんぺん)状で、十字対生するか三輪生し、同じ株でも針状葉と鱗片葉をもつものがある。雌雄同株、まれに異株。雄性の球花は楕円(だえん)形で多くの鱗片からなり、各鱗片の内側に3~5個の葯(やく)がある。雌性の球花は球形または卵形で、対生または三輪生する数個の鱗片からなり、各鱗片内に2~数個の胚珠(はいしゅ)が上向きにつく。球果は木質で裂開するか、液質で裂開せず、多くの種子がある。世界に18属約140種あり、日本にはアスナロ属、クロベ属、ヒノキ属、ネズミサシ属(ビャクシン属)、スギ属の5属10種が分布する。ヒノキ、サワラ、アスナロなど、有用材として知られる。分子系統に基づく分類でもヒノキ科とされる。この分類でスギ科は、コウヤマキ属はコウヤマキ科に、そのほかはヒノキ科と合一された。
[山崎 敬 2018年6月19日]