日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソノラ砂漠」の意味・わかりやすい解説
ソノラ砂漠
そのらさばく
北アメリカ砂漠の植生で4区分された砂漠の一つ。名称はメキシコの州名に由来している。アメリカ合衆国アリゾナ州の南西部からメキシコのカリフォルニア湾周辺にかけて広がっている。面積31万平方キロメートル。カリフォルニア半島は寒流の影響で冷涼海岸砂漠になっているためソノラ砂漠に含めず、ビスカイノ砂漠(ビスカイノマダレナ砂漠)とする考えもある。最暖月の平均気温は全域25℃を超え、冬も比較的温暖で最寒月の平均気温が0℃以下になる所はほとんどない。雨期が夏と冬の2回ある。夏雨は南東部で多く、冬雨は北西部で多い。降水量がもっとも少ない所はソルトン湖付近で年約60ミリメートルであるが、東部のトゥーソン付近では約250ミリメートルになる。植生は気候特性の影響を受け、種類・量ともに多い。サグアロ(サボテン)は代表的な植物である。アリゾナ州南西部からカリフォルニア州南東部にかけてはコロラド川の水と地下水が豊富に存在するため、10万ヘクタールを超す耕地が開発され、人口約360万人のフェニックス都市圏、約100万人のトゥーソン都市圏が発達している。
[赤木祥彦]