日本大百科全書(ニッポニカ) 「北アメリカ砂漠」の意味・わかりやすい解説
北アメリカ砂漠
きたあめりかさばく
北部はアメリカ合衆国オレゴン、アイオワ両州の南部(北緯約43度)からメキシコ中央部の北緯22度付近まで延びている南北に長い砂漠。面積130万平方キロメートル。アメリカ合衆国では西のシエラ・ネバダ山脈と東のワサッチ山脈、コロラド高原の間に位置しており、メキシコに入ると西シエラ・マドレ山脈を境に2本に分岐している。アメリカ合衆国南西部の地形の大部分は「盆地と山地」地域である。メキシコの地形は西シエラ・マドレ山脈の東側では1500~1000メートルの高原であり、西側は低地とカリフォルニア半島である。気候はこの地形と緯度の影響により地域的変化が大きい。気温は北部で年平均気温約10℃、ソルトン湖付近で約25℃、メキシコ高原南部で約20℃である。年降水量はそれぞれ約290ミリメートル、65ミリメートル、250ミリメートルである。気候と地形の影響を大きく受ける植生は地域により相違が大きい。そのため、北アメリカ砂漠は植生により、北からグレート・ベースン砂漠、モハーベ砂漠、ソノラ砂漠、チワワ砂漠に区分されている。
[赤木祥彦]