化学辞典 第2版 「ゾル-ゲル法」の解説
ゾル-ゲル法
ゾルゲルホウ
sol-gel method
微細な水酸化物などのコロイド粒子を含む溶液状のゾルから粘性の高いゲルを経て,組成や組織が均一でよく整ったガラスやセラミックスを比較的低温で合成する方法.ゾルの製造には,金属とクエン酸やシュウ酸との配位化合物を加水分解して,錯イオンを多核錯体として縮合させる方法と,金属アルコキシドの重縮合反応を利用する方法とがある.後者の例として,水,エタノール,ケイ酸エチルを混合してゾルをつくり,エタノールを蒸発して重縮合させたのち,1200 ℃ で加熱すると,溶融過程を経ることなく,ガラスをつくることができる.ガラス繊維やガラス薄膜の製造,コーティングなどにも用いられている.また,高分子のゾル-ゲル法でコンタクトレンズの製造も行われている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報