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タイ音楽(読み)タイおんがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タイ音楽」の意味・わかりやすい解説

タイ音楽
タイおんがく

現在のバンコク王朝の宮廷儀式音楽が芸術音楽の中心である。インドの『ラーマーヤナ』を改作した『ラーマーキエン』 (史劇) を中心的内容とした合奏を主とする音楽で,シルパコーン (国立芸術院) の付属劇場などで古典仮面劇 (コーン) ,舞踊 (ラム) ,舞踊劇 (ラコーン) などの伴奏音楽や儀式音楽として公演されるほか,仏教儀式その他の宮廷行事にも用いられる。クルアンサイ (弦楽器中心の合奏形態) ,ピーパット (管と旋律打楽器を中心とした合奏形態) ,マホリ (クルアンサイとピーパットを一緒にした大編成の合奏形態) ,の3つのアンサンブル様式をもつ。本来は,クメール文化をスコータイおよびアユタヤ時代に移入して成立し,それにベトナム,ビルマ (現ミャンマー) ,インドネシアをはじめ周辺諸国の音楽文化を集大成して,タイ独自のものを形成し,現在では逆にカンボジア,ミャンマーなどに影響を与えている。民俗音楽には,北方シャン族ラオ族を中心に独自のものがあり,特にラオスの笙 (ケン) などは特異である。このほか,バラモン僧の楽器として用いられた1弦 (または2弦) の匏琴 (ピン・ナム・タオ) も注目される。

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