タイ中部の古都で,同名県の県都。都市域人口11万6026(2002)。メナム(チャオプラヤー)川の支流であるヨム川に沿っている。西方は山地であるが,東方にはヨム川の氾濫原がひろがり,稲作に適している。タバコ,綿花,トウモロコシなど畑作も盛んである。13世紀までカンボジアのアンコール朝の支配下にあったが,その後,タイ族がこの地を王都としてスコータイ朝を開いた。現在のスコータイ市の西方には,13~14世紀の仏教寺院,宮殿跡を含む広大な都城の遺跡がひろがっている。スコータイ朝はタイ族最初の王国であるとともに,セイロンから渡来した上座部仏教を受容し,仏教美術・文学が繁栄したことで知られる。1292年にラーマカムヘン王が建立した石碑の刻文は,タイ語で書かれた最古の文であり,今日のタイ文字の基礎となった。
執筆者:田辺 繁治
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タイ中北部、スコータイ県の県都。チャオプラヤー川の四大支流の一つヨムYom川に沿う。人口3万5713、同名の県の人口は59万3264(2000)。13世紀なかばにクメールの支配を破りタイの独立国家スコータイ朝がこの地で成立、14世紀なかばにアユタヤ朝に征服されるまで、その王都であった。現在も宮殿、寺院などの遺跡が散在し、博物館もあり、タイ国家発祥の地として多くの観光客が訪れる。1991年に周辺の古都とともに世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。
[友杉 孝]
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…タイの陶磁器の歴史は13世紀のスコータイ王朝の成立を期に,その前時代とスコータイ王朝以降に分けることができる。最古の土器はベンガラで渦文や螺旋文をめぐらしたバンチェン土器(バンチェン)といわれ,前3000年ころとも紀元前後ともいわれている。…
※「スコータイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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