日本大百科全書(ニッポニカ) 「タマラオ」の意味・わかりやすい解説
タマラオ
たまらお
tamarau
[学] Bubalus mindrorensis
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。別名ミンドロスイギュウ。フィリピンのミンドロ島全域、ルソン島などに分布していたが、現在ではミンドロ島の高地に限られており、その数も100頭以内に減少しているといわれる。生息地は、竹林や草地に近い森林の周縁部である。アノアによく似ているが、スイギュウにいっそう近縁である。アノアよりはやや大きく、体長1.7メートル、肩高1メートル、体重はおよそ300キログラム。体色はほとんど黒色で、四肢、頸(くび)、顔などに白斑(はくはん)がみられる。角(つの)は後方に伸び、長さ40センチメートルに達する。
[中川志郎]