タマラオ(読み)たまらお(その他表記)tamarau

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タマラオ」の意味・わかりやすい解説

タマラオ
たまらお
tamarau
[学] Bubalus mindrorensis

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。別名ミンドロスイギュウフィリピンミンドロ島全域、ルソン島などに分布していたが、現在ではミンドロ島の高地に限られており、その数も100頭以内に減少しているといわれる。生息地は、竹林草地に近い森林の周縁部である。アノアによく似ているが、スイギュウにいっそう近縁である。アノアよりはやや大きく、体長1.7メートル、肩高1メートル、体重はおよそ300キログラム。体色はほとんど黒色で、四肢、頸(くび)、顔などに白斑(はくはん)がみられる。角(つの)は後方に伸び、長さ40センチメートルに達する。

中川志郎

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のタマラオの言及

【スイギュウ(水牛)】より

…スイギュウ類は,雄にも首にたれ皮がなく,鬐甲(きこう)部(首が肩に続くところ)がとくに高まらず,体毛はまばらで,老獣では全身がほとんど裸出する。野生種はアフリカと南アジアの熱帯地方に分布し,アフリカスイギュウ(クロスイギュウ)Synceros caffer(イラスト),アカスイギュウS.nanus,アジアスイギュウBubalus bubalis(=B.arnee),ミンドロスイギュウ(タマラオ)B.mindorensisアノアAnoa depressicornis(イラスト),ヤマアノアA.quarlesiの3属6種がある。 アジアスイギュウ(英名Asiatic buffalo,water buffalo)(イラスト)は,アフリカスイギュウと違って角の断面がはっきりした三角形で,左右の基部が遠く離れ,耳介が比較的小さく,その縁に顕著な毛の房がなく,背筋の毛は腰から前のほうへ向かっている。…

※「タマラオ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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