改訂新版 世界大百科事典 「ダックスフント種」の意味・わかりやすい解説
ダックスフント[種]
dachshund
原産地がドイツの獣猟犬,家庭犬。世界で最も愛好家の多い6犬種の一つ。太くて極端に短い四肢と特別に長い胴が特徴。犬種名はアナグマ犬の意で,本来はアナグマや小型野獣の猟犬。穏和で朗らかな性格だが,猟には豪胆で激しい闘争性をもつ。前胸部と前肢のたくましさはアナグマの巣穴を掘り進むのに適している。ドイツ原産であるが,今日まで発展してきた過程は不明で,祖先はバセット・ハウンドと共通であろうと推察されている。スタンダードとミニチュアの2種があり,それぞれにスムースヘアード,ロングヘアード,ワイヤヘアードと被毛の異なる3種がある。スムースヘアードのスタンダードを基に,ロングヘアードはスパニエル種の,ワイヤヘアードはテリア種の血液を混じえて作出され,ミニチュアはそれぞれ選抜交配を重ねて小型化されたものである。大きさ,毛質を除くほかは体形,性格などほぼ同じである。毛色は黒・褐色,肝臓色,赤色,ブリンドル(虎毛)などがあり,赤色が優勢である。スタンダードの体高は約18~25cm,体重は約6.0~12kg,ミニチュアは胸囲で決められ,35cm以下,体重は約3.5~5.0kgで,いずれも小型種。
→イヌ
執筆者:一木 彦三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報