ダービー窯(読み)ダービーよう(その他表記)Derby porcelain

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダービー窯」の意味・わかりやすい解説

ダービー窯
ダービーよう
Derby porcelain

1750年代にイギリス陶工 W.ドゥーズベリーによって,イングランドダービーに設立された磁器工場。 70年にチェルシー窯を,78年にボー窯を買収して大発展をとげたが,1848年に閉窯。 77年に再興され,ロイヤル・クラウン・ダービーと社名を変更して今日にいたる。初期には柿右衛門様式をはじめとするマイセン写し (→マイセン磁器 ) ,1790~1800年頃はロココ調の風景図や狩猟図を絵付けし,次いで柿右衛門様式や伊万里風を復興,現在では「ダービー・ジャパン」と愛称されるほど,日本的デザインを継承している。

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世界大百科事典(旧版)内のダービー窯の言及

【チェルシー磁器】より

…開窯期は主として中国の白磁に花文を浮彫装飾したものが作られていたが,50年代から65年にかけてマイセンの影響により柿右衛門様式や伊万里風を模したもの,ならびにロココ風のすぐれた磁器彫像が生産され,チェルシー窯の黄金期を迎えた。しかしスプリモントの死後窯はしだいに衰退し,70年ダービー窯に買収合併され,新たにダービー・チェルシーとして磁器の製作を継続したが,85年ついに閉窯にいたった。チェルシーの窯印は年代順に赤,青,金の錨文が用いられている。…

※「ダービー窯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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