改訂新版 世界大百科事典 「チェラノ」の意味・わかりやすい解説
チェラノ
Cerano
生没年:1575ころ-1632
イタリアの画家。本名クレスピGiovanni Battista Crespi。ノバラまたはその近郊チェラノに生まれる。1586-95年ローマ滞在。90年代後半から枢機卿フェデリコ・ボロメオの後援のもとにミラノで活動。1602-10年にミラノ大聖堂のため枢機卿の叔父で対抗宗教改革の推進者カルロ・ボロメオの生涯の連作を制作。21年には枢機卿創設のアカデミア・アンブロジアーナの初代院長となるなど,17世紀初頭のミラノの芸術活動の中心に位置し,彫刻のデザインや建築にも携わった。後期マニエリスムに根ざしながら,バロッチやルドビコ・カラッチの影響も受け,マニエリスムからバロックへの転換期に生きた。
執筆者:高橋 裕子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報