チビガ(その他表記)Stigmellidae

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チビガ」の意味・わかりやすい解説

チビガ
Stigmellidae

鱗翅目チビガ科昆虫総称幼虫の大半が潜葉性のガで,モグリチビガ (潜矮蛾) ともいう。前翅の開張幅 5mm前後の微小な種がほとんどで,開張幅 2mm内外の鱗翅目中の最小種を含む。頭部に立毛が粗く生え,触角はやや太く短い。基節は広がって複眼をおおっている。口吻は発達せず,下顎鬚は長い。前・後翅とも披針形で,表面に微小な刺毛をもつ。翅脈単純。前翅には金属光沢がある。成虫は日中飛ぶ。日本には数十種を産する。リンゴモグリチビガ Stigmella pomellaは前翅開張幅 4.5~6mm,体,翅は灰黒色で光沢がある。頭の立毛は橙黄色,触角の基節は黄白色をしている。成虫は5月と8月に出現。幼虫はリンゴの葉にもぐる。北海道と本州,ならびにヨーロッパに分布する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チビガ」の意味・わかりやすい解説

チビガ
ちびが

昆虫綱鱗翅(りんし)目チビガ科Bucculatrigidaeの昆虫の総称。はねの開張6~8ミリメートルの小形の種類を含む科で、はねはごく細長く、後翅は紐(ひも)状、長い縁毛が生えている。幼虫は、1、2齢の間は葉の中に潜り、曲がりくねった潜孔をつくるが、2齢の終わりに潜孔から出て、葉面に扁平(へんぺい)な薄い繭を紡ぎ、その中で脱皮する。3、4齢の幼虫は、葉面にいて、葉の表面付近を食べる。繭は細長い舟底形で、表面に数本の隆起線がある。日本には、研究が進んでいないため2種しか知られていないが、将来は数種類は発見されるものと考えられる。学者によっては、チビガ科をハモグリガ科Lyonetiidaeの一部とみなすこともある。

[井上 寛]

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