チャド語派(読み)ちゃどごは(その他表記)Chadic

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャド語派」の意味・わかりやすい解説

チャド語派
ちゃどごは
Chadic

ハム・セム語族アフロ・アジア語族)を構成する語派の一つで、西アフリカチャド周辺一群言語をさす。ナイジェリアニジェールカメルーン、チャドにわたって分布する100以上の言語が含まれるが、そのうち最大の母語人口(1000万人以上)をもつハウサ語一種の共通語・交易語としてさらに広い通用領域がみられる。その他の言語は多くても10万人程度の話し手しかもたず(ナイジェリアのアンガス語Angas、ブラ語Bura、カメルーンのマタカム語Matakamなど)、大多数はきわめて少数の母語人口を有するのみである。

[柘植洋一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャド語派」の意味・わかりやすい解説

チャド語派
チャドごは
Chad languages

アフリカのナイジェリア北部とその周辺の地域で話される諸言語。アフロ=アジア語族の一語派で,ハウサ語が最も重要な言語。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のチャド語派の言及

【アフリカ】より

…なお,ソマリア全土で話されているソマリ語は現在ではローマ字表記が使用されている。(5)チャド語派Chadic 黒人アフリカを代表すると言われる二大言語の一つで,ハウサ語Hausaが属している語派である(もう一つの大言語は東アフリカのスワヒリ語)。ハウサ語以外には100を超す小言語がチャド語派に属するが,チャド,ニジェール,ナイジェリアの一部で話されているこれらの言語は非常に小さいものである。…

※「チャド語派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android