チャンキャ・ルルペー・ドルジェ(その他表記)lCang skya Rol pa'i rdo rje

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

チャンキャ・ルルペー・ドルジェ
lCang skya Rol pa'i rdo rje

[生]1717
[没]1786. ドロンノール
彙宗寺に住持した慈国師章嘉呼図克図の転生者とされるチベットの僧。別名イェシェー・テンペー・ドゥンメ。 1723年北京に連行され,トゥケン・フトクトゥ2世らの教育を受け,満州,蒙古,中国の3ヵ国語を習得,雍正,乾隆2代に仕え,清朝のチベット支配に重要な仲介者となった。同時に,仏教学者として『仏教述語解』『宗義大綱釈』の著述のほか,テンギュルの蒙古語訳を完成し,大蔵経の満州語訳監修などすぐれた業績を残し,乾隆帝に随行して五台山におもむいて没した。

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世界大百科事典(旧版)内のチャンキャ・ルルペー・ドルジェの言及

【ラマ教】より

…17世紀後半に至るとジャムヤン・シェーペー・ドルジェ(1648‐1722)が現れて,ツォンカパの見解をその由来とともによく祖述した。ついで現れたチャンキャ・ルルペー・ドルジェ(1717‐86)は,清の乾隆帝に仕えてその宗教政策を扶翼したが,ツォンカパ思想のすぐれた解明者として,その批判説の多くを排除し,すぐれた祖述者の役割を果たした。 チベット仏教はインド仏教以来の救う者としての教団仏教の伝統を保ち続け,高踏的な立場に立った。…

※「チャンキャ・ルルペー・ドルジェ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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