改訂新版 世界大百科事典 「チョタナーグプル」の意味・わかりやすい解説
チョタ・ナーグプル
Chota Nāgpur
インド北東部,ビハール,マディヤ・プラデーシュ,オリッサ,西ベンガルの州境部にまたがる標高500~1000mの丘陵性山地帯。その範囲は人により一定しないが,ダモーダル川,南・北両コエル川などの源流部一帯の山地を指していうことが多い。地質は先カンブリア時代の花コウ片麻岩を主体とするが,これら諸河川による開析が進んでいる。かつては森林に覆われ,ムンダ,サンタル,ホーなどのアウストロアジア語系諸族に属する諸部族の居住地であった。イギリス領時代になって踏査が進み,南部では鉄,銅,金,凍石,中部では石炭,ボーキサイト,北部では雲母,重晶石,マンガンなどの埋蔵が知られ,19世紀末からの鉄道開通につれ開発された。20世紀にはいるとジャムシェドプル,ダーンバードなどの都市が成立し,一挙にインドを代表する鉱工業地帯となった。これにつれて平原からの人口流入が進み,部族人口の比率は低下した。
執筆者:応地 利明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報