ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チョン・ジュヨン」の意味・わかりやすい解説
チョン・ジュヨン(鄭周永)
チョン・ジュヨン
Chung Ju-yung
[没]2001.3.21. 大韓民国,ソウル
大韓民国(韓国)の実業家。世界屈指の財閥だった現代(ヒュンダイ)グループの創業者。朝鮮戦争後の韓国経済の復興に大きく貢献した。貧しい農民の子として生まれ,自動車修理工場の経営を手始めにビジネスの世界に乗り出す。工場の利益を投じて次々に事業を広げ,1947年に現代建設を設立。1960年代にパク・チョンヒ(朴正煕)大統領から大量の公共事業を受注して莫大な利益を上げ,自動車(→ヒュンダイ・モーター),エレクトロニクスなどの分野にも進出。1992年に大統領選挙に出馬したが落選。現代グループ全体の売り上げは 1990年代には年間 800億ドル近くに達したが,1997年に韓国が金融危機に直面して経営難に陥り,事業の規模縮小・再編を迫られた。晩年はキム・デジュン(金大中)大統領に協力し,朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との対話路線の推進役を買って出た。1998年に食料援助として北朝鮮に家畜とトウモロコシを送り,クムガン(金剛)山の観光事業にも力を入れた。2000年に経営の一線から引退した。
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