改訂新版 世界大百科事典 「チラチャプ」の意味・わかりやすい解説
チラチャプ
Cilacap
インドネシア,ジャワ島南海岸中部の港町。人口11万4000(1980)。インド洋に面し,ダナン,ダンガル両河川の河口に位置し,前面にカンバンガン島をひかえ,その西端のカランボロン岬に守られる良港で,港の乏しいジャワ南海岸で唯一の港といえる。港は沿岸漁業の基地にもなっている。以前は不健康地であったが,20世紀初めに港の改良工事が行われてから居住環境も改善された。ジャワ南岸沿いの鉄道の支線の終点で,物資の集散地でもある。またカリ・ジャサ運河によって中部ジャワの重要な河川セラユ川の河口と結ばれる。住民はスンダ族や中国人が多い。カランボロン岬の石灰岩の洞窟は貴重な燕窩(アナツバメの巣。中国料理の材料)の採取地として知られる。
執筆者:別技 篤彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報