チワワ州(読み)チワワ(その他表記)Chihuahua

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チワワ州」の意味・わかりやすい解説

チワワ〔州〕
チワワ
Chihuahua

メキシコ北西部内陸の州。州都チワワ。メキシコ最大の州で,北はアメリカ合衆国と国境を接する。メキシコ高原北部を占め,大部分は国境をなすリオグランデ (ブラボデルノルテ川) に向ってゆるやかに傾斜する高原地帯であるが,西部には西マドレ山脈が連なり,山間に肥沃な谷が広がる。唯一の重要な河川はコンチョス川で,州南部の水を集めリオグランデに注ぐ。山地では雨が多いが,その他の大部分の地域は年降水量 500mm以下の乾燥地で,南東部はマピミ盆地と呼ばれる乾燥盆地となっている。水不足は農業発展にとって大きな障害となってきたが,1950年代に灌漑による綿作が発展。西部の山地では牧畜が重要。州の主産業は鉱業で,鉄,鉛,亜鉛,金,銀,銅などが採掘される。 19世紀末 P.ディアス大統領が農地の大部分をごく少数の人々に付与したこともあって,20世紀初頭のメキシコ革命期にはこの州の住民には革命支持者が多く,また革命指導者も輩出した。国境の町シウダードフアレスとメキシコ市を結ぶ鉄道,道路が州都を経て州を縦断する。なおチワワと呼ばれる小型の犬は,19世紀なかばこの州において初めて注目されたことから,その名が由来している。面積 24万 4938km2。人口 243万 9954 (1990推計) 。

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