日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツノゴケ類」の意味・わかりやすい解説
ツノゴケ類
つのごけるい
苔(たい)類、蘚(せん)類と並ぶコケ植物の一群。配偶体はすべて葉状体で、組織分化はほとんどなく、細胞内には1~数個の大形の葉緑体をもつ。葉緑体には1個のピレノイド(デンプンの形成と貯蔵に関与する構造体)がある。雌雄の生殖器官は葉状体の組織の中にうずもれてつくられる。胞子体は線状で、中央に軸柱をもち、蒴(さく)の壁には気孔がある。胞子体の基部には分裂組織があり、これによって成長する。胞子体の細胞内には配偶体と同じ葉緑体がある。世界中に約300種あり、1科5属に分類される。日本ではツノゴケ、ナガサキツノゴケ、アナナシツノゴケ、キノボリツノゴケなどがある。
[井上 浩]
[参照項目] |