ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ティカル遺跡」の意味・わかりやすい解説 ティカル遺跡ティカルいせきTikal グアテマラ,ペテン高原にあるマヤ文明最大の都市遺跡。形成期後期 (前 300~後 300) には祭儀の中心地となり,ピラミッドや寺院が建てられた。古典期 (300~900) には全盛期を迎え,大広場,宮殿などがつくられ,石碑の彫刻,土器に描かれた絵にみられるようなマヤ芸術が開花した。またマヤ象形文字やマヤ暦による日付彫刻なども多くの建築物にみられる。都市の中心は約 2.6km2に及び,その周囲に住居跡が散在している。8世紀の推定人口は5万人。古典期前期 (300~600) にはメキシコ文明の他の古代都市との一大交易網の重要拠点となり,後期 (600~900) には南部低地の大部分にその支配力を広げたと思われるが,10世紀には遺棄された。 1979年遺跡を中心とするティカル国立公園が,世界遺産の文化・自然の複合遺産に登録された。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by