改訂新版 世界大百科事典 「ティマリオン」の意味・わかりやすい解説 ティマリオンTimariōn 12世紀につくられた対話形式の中世ギリシア風刺文学作品。作者不詳。テッサロニキの聖デメトリオスの祭の見物を終えたティマリオンが熱病にかかり,仮眠中のところを死者とみなされてその魂を冥府に送られ,有名な故人たちと会うが,裁判の結果誤診と判断され,地上の骸(むくろ)と合体するという内容。ルキアノスの同種の風刺文学作品の形式をかりながら,作者は,古代や同時代の名士に対し,これを皮肉り,ときに,教会による断罪とはうらはらの好意的評価を下すこともある。執筆者:渡辺 金一 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by