日本大百科全書(ニッポニカ) 「金一」の意味・わかりやすい解説
金一
きんいち / キムイル
(1912―1984)
北朝鮮の軍人、政治家。咸鏡北道(かんきょうほくどう/ハムギョンプクド)で生まれる。1935年タシケント共和国(現ウズベキスタン共和国)総合大学卒業。1941年から金日成(きんにっせい/キムイルソン)遊撃隊幹部となり、1945年解放後、北朝鮮に戻り、朝鮮労働党、人民共和国政府幹部となる。1950年、朝鮮戦争時の言動により一時罷免されたが、1952年から党副委員長、軍事委員、政府副首相に復活。1972年政務院総理(首相)となったが、1976年4月国家第一副主席となる。病身のため何回かルーマニアで療養。金日成権力を支える有力なシンボル的存在であったが、金正日後継者化には微妙な態度をとっていた。
[玉城 素]