精選版 日本国語大辞典「見物」の解説
けん‐ぶつ【見物】
〘名〙
※御堂関白記‐長和五年(1016)三月一二日「此暁女方渡堂見物」
② (催し物、できごとなど)わざわざ見る価値のあるおもしろいもの。みもの。
※曾我物語(南北朝頃)一「わかき人々、相撲とりたまへ。見てあそばん。けんふつには、上やあるべき」
③ 見物する人。みて。観客。見物者。見物人。
※後二条師通記‐康和元年(1099)二月一三日「見物成レ市、従二近衛一東行」
※今昔(1120頃か)一「見物、市を成す、上中下人、残る事无(な)し」
[補注]和語「みもの」の漢字表記「見物」を音読してできた和製漢語であろう。
み‐もの【見物】
〘名〙
① 見てすばらしいと感じるもの。見るに値するもの。
※宇津保(970‐999頃)あて宮「君だちまゐり給へり。物どもひとたびにもてつらねて参る、みものなり」
② 見物すること。かたわらから見ること。また、その人。
※落窪(10C後)二「をかしき見ものも、今はもろともにとなん思ひ給ふる」
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