てっちり(読み)テッチリ

精選版 日本国語大辞典 「てっちり」の意味・読み・例文・類語

てっ‐ちり

  1. 〘 名詞 〙 ( 「てつ」は、河豚(ふぐ)の俗称である「てっぽう(鉄砲)」の略 ) 河豚のちり料理。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「『てっちりなぞ、いかがです。日下さん』『ふぐといきやしょう』」(出典:胸より胸に(1950‐51)〈高見順〉八)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のてっちりの言及

【ちり鍋】より

…薬味にはもみじおろしとアサツキの小口切りなどを添える。タイ,タラ,フグを主材料とするものは,それぞれタイちり,タラちり,フグちり(またはてっちり)と呼び,タイ,フグは刺身をとったあとのあらを利用することが多い。石井研堂の《明治事物起源》に〈ちりの流行〉なる一節があり,その引用文献によると,ちりは古来九州・四国地方で行われていた料理法だとするが,明治以前の文献に記載があるとの報告はまだないように思う。…

【フグ(河豚)】より

…皮下のゼラチン質の部分は〈とおとうみ〉と呼び,刻んで熱湯でゆがいて刺身に添えることが多いが,これは三河(身皮)に接しているから遠江(とおとうみ)だというしゃれである。〈てっちり〉と俗称するちりなべは,おもにあらを用い,豆腐,キノコ類,シュンギクなどをあしらい,刺身同様ポンスじょうゆで食べる。ひれ酒は,干したひれをこがすくらいに火であぶってコップなどに入れ,熱かんの清酒をそそいで飲む。…

※「てっちり」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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