日本大百科全書(ニッポニカ) 「テドリリュウ」の意味・わかりやすい解説
テドリリュウ
てどりりゅう
tedorosaur
[学] Tedorosaurus aswaensis
手取層群(てとりそうぐん)九頭竜(くずりゅう)亜層群の中生代ジュラ紀後期、約1億6000万年前の地層の上部から産出した化石で、手取竜という和名を与えられた。この竜の骨格は全長7センチメートル、スズメぐらいの大きさのトカゲの一種と考えられる。化石では尾が残されていなかったが、その他の部分は保存されていた。頭骨は三角形で比較的に大きく、その中央にほぼ楕円(だえん)形の大きな眼球孔がある。くちばしの左側に下あごがはみだしていて、前方に細い歯が多くある。前肢は短く4本の指があり、長い後肢に4本の長い指があった。肋骨(ろっこつ)のついた背骨が17個、頸(くび)の骨は5個以上、胴の背骨2個以上、腰より前に24個以上の背骨があった。産地は福井市美山(みやま)地区上新橋付近である。
[小畠郁生]