テムネ族(読み)テムネぞく(その他表記)Temne

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テムネ族」の意味・わかりやすい解説

テムネ族
テムネぞく
Temne

西アフリカのシエラレオネ北西部の住民。言語はニジェール=コンゴ語派に属する。人口約 140万と推定される。稲を主とし落花生,キャッサバ,もろこしなどを栽培する農耕民で,漁労は女性が行う。一夫多妻制もみられ,父系氏族の構成員は相互扶助の義務をになう。村落は,村民と地方首長との仲立ちをしたり,争い事を裁いたり,税金を集めたりする村長の支配下にあるが,村長は現在では選挙で選ばれる。首長は宗教的役割も果し,ラグベンレやホロという男性結社の成員で,秘密結社の力は強く,首長を任命するところもある。女性結社もあるが,これら結社の活動は衰えつつあり,伝統宗教もイスラム教キリスト教に代ってきている。

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世界大百科事典(旧版)内のテムネ族の言及

【シエラレオネ】より

…シエラレオネの地域には,最初はリンバ族が優勢であった。15世紀にはテムネ族やシェルブロ族が沿岸地域を占め,16世紀にメンデ族が南東から移住してきた。15世紀にヨーロッパ人が到来すると,これらの部族は沿岸交易を競い合った。…

※「テムネ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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