ニジェールコンゴ語派(読み)ニジェールコンゴごは(その他表記)Niger-Congo

改訂新版 世界大百科事典 「ニジェールコンゴ語派」の意味・わかりやすい解説

ニジェール・コンゴ語派 (ニジェールコンゴごは)
Niger-Congo

ニジェール・コルドファン語族の分枝で,西アフリカ西端からナイジェリアなどを経てアフリカ大陸の南端にまで至る広域に分布する大言語群。西アフリカ語群(大西洋側語群)West Atlantic(フラ語,ウォロフ語など),マンデ語群Mande(マンデカン語,バイ語など),ボルタ語群Voltaic(グル語群Gurともいう。モシ語,セヌフォ語など),クワ語群Kwa(ヨルバ語,イボ語など),アダマワ・イースタン語群(アダマワ東部語群)Adamawa-Eastern(サンゴ語,ザンデ語など),ベヌエ・コンゴ語群Benue-Congo(ティブ語,バントゥー諸語など)の6グループに下位区分される。このうち,バントゥー諸語を含むベヌエ・コンゴ語群は,約2000年前に故地のニジェール川支流であるベヌエ川中流域(ナイジェリア)から急速に拡張をはじめ,現在の東アフリカから南アフリカ一帯の広い地域に分布するようになったものである。
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百科事典マイペディア 「ニジェールコンゴ語派」の意味・わかりやすい解説

ニジェール・コンゴ語派【ニジェールコンゴごは】

アフリカ大陸の西端セネガルからナイジェリアなどを経てアフリカ大陸の南端に至るまで,広域に分布する大言語群。マンデ語群(バイ語,ソニンケ語など),西アフリカ(大西洋側)語群(ウォロフ語,フラ語など),グル語群(モシ語,セヌフォ語など),クワ語群(エウェ語ヨルバ語など),ベヌエ・コンゴ語群(バントゥー諸語など),アダマワ・イースタン(アダマワ・東部)語群の6グループに区分される。また,スーダン共和国の中小の言語群であるコルドファン語派とともに,ニジェール・コルドファン語族と呼ばれ,アフリカを代表する一大語族をなす。
→関連項目リンガラ語

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニジェールコンゴ語派」の意味・わかりやすい解説

ニジェール=コンゴ語派
ニジェール=コンゴごは
Niger-Congo languages

ニジェール=コルドファン語族の,コルドファン語派を除いた残りの諸言語。言語数約 900と算定。アフリカのサハラ砂漠以南の広い地域にわたって3億人あまりの話し手をもつ。マンデ諸語グル諸語スワヒリ語を含むバンツー諸語など,重要な言語を含む。

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世界大百科事典(旧版)内のニジェールコンゴ語派の言及

【アフリカ】より

…そのうち,スーダン共和国の(1)コルドファン語派は,非常に小さな言語群から成り立っていて,研究が十分にはなされていない言語を多数含んでいる。もう一方の(2)ニジェール・コンゴ語派Niger‐Congoと呼ばれる大語派は次の六つの下位区分を持っている。(a)マンデ語群Mande ソニンケ語Soninke,バイ語Vai,バンバラ語Bambara,メンデ語Mende,ペレ語Kpelle,ダン語Danなど。…

※「ニジェールコンゴ語派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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