結社(読み)けっしゃ

日本大百科全書(ニッポニカ)「結社」の解説

結社
けっしゃ

集団類型の一つ。社会学では、共同体communityに対置された概念としてのアソシエーションassociationの訳語として用いられる。ときには機集団、派生的集団、社体、組織体とも訳される。また結社は法律用語として使用される。それは、一定の共同的目的を達成するために組織された特定の多人数の継続的な集合体をさす。たとえば、結社罪、結社の自由政治結社秘密結社など。日本国憲法では第21条に集会・結社・表現の自由が保障されている。

 結社はまた、マッキーバーR. M. MacIverが『コミュニティ』(1917)のなかで初めて設定した概念として著名である。彼によれば、共同体は自然発生的で、人々の生活関心が包括的であり、強い共属感情が支配している血縁的・地縁的共同生活(村、町、都会、地方、国)を意味するのに対し、結社は人々が特定の目的や関心に基づいて人為的に結合した集団で、目的実現のための特殊な組織や活動をもつものである。すなわち結社は、共同体を基盤として、そのなかから政治的、経済的、文化的、社交的など特定の関心に基づいて派生してくる集団を意味するから、共同体の器官organである。具体的には、家族、遊戯集団、学校、教会、会社、官庁、政党、組合、クラブ、国家などである。ただし家族と国家は特異であって、コミュニティの要素を含む限界的ケースとされる。結社の一つである国家は、共同体の器官であるとともに、共同体の意志の委託を受けて国民共同体の統制機能を担う点で機関agencyでもありうる、とした。

 社会の発展によって共同体が拡大、開放されるとともに、結社の多元化、巨大化、合理化が進み、多国籍企業や国際連合のような国際的規模のものが発達してくる。マッキーバーはこのような状態を、社会進化の高度段階とよんでいる。

[高島昌二]

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精選版 日本国語大辞典「結社」の解説

けっ‐しゃ【結社】

〘名〙 共通の目的を遂行するために組織される、多人数の継続的な集合体。公事結社、政治結社、秘密結社などがあり、憲法二一条は、集会の自由、表現の自由と並んで、結社の自由を保障している。また、特定の目的で人為的に組織された社会集団をいう。たとえば政党、会社、芸術団体、宗教団体などをさし、自然発生的な社会集団である「共同体」に対する。
※百学連環(1870‐71頃)〈西周〉二「結社の権。此結社なるものは其主となるものありて、社を結ぶにあらず。或る物件に就て数人金を出して結社するなり」 〔蓮社高賢伝‐慧遠法師〕

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普及版 字通「結社」の解説

【結社】けつしや

同志が集まって、団体を作る。・史謹〔重ねて清涼寺に遊ぶ〕 (恵遠)(ひとへ)に愛す、詩を能くするを 陶令(潜)、元(もと)より結の心無し

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