日本大百科全書(ニッポニカ) 「テンシュテット」の意味・わかりやすい解説
テンシュテット
てんしゅてっと
Klaus Tennstedt
(1926―1998)
ドイツの指揮者。メルゼブルク生まれ。ライプツィヒ音楽大学でバイオリン、ピアノ、理論を学ぶ。バイオリン奏者として働いたのち、指揮に転じ、旧東ドイツ各地で指揮者・音楽監督を歴任。1971年スウェーデンに移り、74年カナダ、アメリカに、76年にはイギリスにデビュー。79~81年ハンブルクの北ドイツ放送交響楽団常任指揮者を経て、83年ロンドン・フィルハーモニーの音楽監督に就任。84年(昭和59)同楽団を率いて初来日。とくに得意とするマーラーとブルックナーでは、ゆったりしたテンポでおおらかに歌うとともに、緩みのない構成のなかに風格と気品を漂わせる。
[岩井宏之]