テンジクザメ(読み)てんじくざめ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テンジクザメ」の意味・わかりやすい解説

テンジクザメ
てんじくざめ / 天竺鮫

軟骨魚綱テンジクザメ目の科や属の総称、またはその1種の名称。テンジクザメ科Hemiscylliidae(英名longtailed carpetsharks)は体が円筒状で細長く、とくに腹びれと臀(しり)びれの間が非常に長く、臀びれが尾びれと接することが特徴である。本科はテンジクザメ属Chiloscylliumとモンツキテンジクザメ属Hemiscylliumの2属からなり、日本近海にはテンジクザメ属のテンジクザメ(異名「シロボシテンジク」)C. plagiosumとイヌザメC. punctatumの2種が分布する。テンジクザメには体に複雑な模様や斑点(はんてん)があるが、イヌザメでは幼魚には太い白と茶黒色の縞(しま)模様があり、成魚は一様な茶褐色であることで両種を区別することができる。

 種としてのテンジクザメ(英名whitespotted bambooshark)の生殖方法は短期型単卵生で、1産卵期に26個ほどの卵を産む。最大で95センチメートルほどになる。南日本からインドネシアの海域を経て、インド洋北部やマダガスカルの海域などから知られている。国際自然保護連合IUCN)のレッド・リストでは、準絶滅危惧(きぐ)(NT)に指定されている(2021年9月時点)。

[仲谷一宏 2021年10月20日]

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