テンプル騎士修道会事件(読み)てんぷるきししゅうどうかいじけん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テンプル騎士修道会事件」の意味・わかりやすい解説

テンプル騎士修道会事件
てんぷるきししゅうどうかいじけん

フランス王フィリップ4世が王権伸張の一策として強大な騎士修道会のとりつぶしと財産没収を企て、1307年から6年がかりで異端審問の形式による訴訟を続けた事件。国王の顧問官ローマ法学者ギヨーム・ド・ノガレGuillaume de Nogaret(1260/1270ころ―1313)は、反教皇主義の立場で事件の主導権を握り、テンプル騎士に背教・偶像崇拝嫌疑をかけ、1307年10月13日フランス全土の3000余か所で会員の一斉逮捕に成功し、厳しい拷問による強制的自白を引き出した。教皇クレメンス5世は、この越権行為に抗議し、別途に事件を調査して1312年ビエンヌVienne公会議に諮り、会員の無罪を認めたうえ、行政処分による同修道会廃絶と聖ヨハネ騎士修道会への財産移管を決議した。国王側はこれに不満を唱え、1314年修道会総長ジャック・ド・モレーJacques de Molay(1243ころ―1314)以下4名の幹部を火刑に処した。

[橋口倫介]

『R・ペルヌー著、橋口倫介訳『テンプル騎士団』(白水社・文庫クセジュ)』

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