化学辞典 第2版 「デコレーション法」の解説
デコレーション法
デコレーションホウ
decolation method
電子顕微鏡により,表面の微細構造を観測する方法の一つ.試料表面に金あるいは銀をごくわずか蒸着し,表面で1~10 nm の微小結晶粒子を析出させる.この際,結晶核の生成は表面の下地結晶面の状態によって異なり,したがって,できる結晶の大きさや数が異なる.それをレプリカ法で写しとって観察すると表面の状態がよくわかる.たとえば,結晶の平面部では結晶核の生成数が少なく,階段部では核生成の数が多いので,結晶成長の階段などがよくわかる.なお,この方法では原子オーダーの構造を拡張してとらえることができるので,一原子層の階段や転移線の端なども観測できる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報