改訂新版 世界大百科事典 「デニッティス」の意味・わかりやすい解説
デ・ニッティス
Giuseppe de Nittis
生没年:1846-84
フランスで活躍したイタリア人画家。南イタリアのアドリア海岸の町バルレッタBarlettaに生まれ,ナポリで美術学校にはいる。写実主義の傾向に深い関心を寄せ,〈レジナResina派〉と呼ばれるグループに参加して,戸外で光の研究を行う。ナポリにやって来たマッキア派の理論家チェチオーニと知りあって1866年にフィレンツェに赴き,このグループと交流を深めるが,さらに飛躍を求めて翌年パリに出る。この地でマネや印象派と交わり,その近代生活の主題に深い影響を受け,第1回の印象派展(1874)に出品するが,サロン(官展)に対する執着もあってその後は参加していない。外国人としてはかなりの社会的成功を収めたが,38歳で早逝。
執筆者:馬渕 明子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報