最新 地学事典 「デュパル異常」の解説
デュパルいじょう
デュパル異常
Dupal anomaly
マントル起原と考えられる玄武岩類のPb・Sr同位体組成から推定された,赤道~南緯60°を中心とした南半球の地球を取り巻くスケールの同位体的マントル異常。B.Dupre・C.J.Alle'gre(1983)の成果に基づき,S.R.Hart(1984)が彼らの名前にちなんで命名。北半球の玄武岩類の値に比べ,高い87Sr/86Sr, 208Pb/204Pb, 207Pb/ 204Pbが特徴。南大西洋のGough島やTristan da Cunha島,インド洋のKerguelen島などで確認。このような地球規模の同位体異常はマントルの部分溶融の違いでは説明不可能で,むしろ大規模(>1,000km)なマントルの不均質性によるらしい。その後,Dupal異常は南半球のみならず日本海や北極地方からも報告され,全地球規模での存在が確認されてきている。参考文献:S.R.Hart(1984) Nature, Vol.309
執筆者:佐野 栄
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

