最新 地学事典 「海洋底磁気異常」の解説
かいようていじきいじょう
海洋底磁気異常
marine magnetic anomaly
海上あるいは海中・海底で測定される地磁気異常のこと。通常は海底の磁気モーメントの変化に起因する磁場を指す。海上磁気測定や海中曳航型磁力計,海底磁力計による磁場測定の結果,周辺の平均的磁場と比べて,地磁気異常を定義することができる。一般には,国際標準地球磁場(International Geomagnetic Reference Field:IGRF)を平均磁場として使用する。海洋底地磁気異常は,海洋地殻の上層部が原因となっているが,下部地殻や上部マントルの影響も無視できないことがわかっている。海嶺での拡大によって形成された海洋底には縞状の磁気異常が観測される。縞模様の走向,観測場所の平均磁場(IGRFでよい),地磁気異常の原因層の深さを既知とすると,縞模様の走向に直交する面に投影された有効磁気モーメントが計算され,海洋底に関する古地磁気学的解析が行われる。この解析で,一定の有効伏角・磁気モーメントの大きさ・その符号(正・逆帯磁)が求められる。海洋底の磁気モーメントの大きさは海嶺部のほうが平均の2倍程度大きい。これをcentral anomalyと呼んでいる。海山の磁気モーメントは地磁気異常縞模様と同様に解析されるが,三次元の磁気モーメントそのものが求められる。
執筆者:伊勢崎 修弘
参照項目:縞状磁気異常
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

