化学辞典 第2版 の解説
デュマ-プレーグルの窒素定量
デュマプレーグルノチッソテイリョウ
Dumas-Pregl method of nitrogen determination
基本的には,有機化合物を酸化銅(Ⅱ)と混合し,空気を遮断して二酸化炭素気流中で燃焼し,生成した窒素酸化物および酸素を還元銅で還元したのち,50% 水酸化カリウム溶液で二酸化炭素および酸性ガスを吸収除去し,窒素ガスの体積を測定するJ.B.A. Dumas(デュマ)の窒素定量法について,F. Pregl(プレーグル)(1912年)が二酸化炭素の純度,燃焼管充填法,窒素計の補正法,二酸化炭素の通気速度などに詳細に検討を加え,微量法(試料量1~10 mg)を確立した.図にこの方法の原理を示す.
Preglの主要な改良点は,分析装置全体のスケールを縮小したこと,二酸化炭素と高温の還元銅や酸化銅の間で起こる次の可逆反応,
2CO2 2CO + O2
を左に進行させること,燃焼管充填法を実験的に改良したこと,および二酸化炭素の通気速度を一定に保ち,空試験値を安定させたことである.このミクロ法は,その後,多くの研究者によって詳細な検討が加えられ,信頼性の高い分析法となっている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報