精選版 日本国語大辞典 「窒素酸化物」の意味・読み・例文・類語
ちっそ‐さんかぶつ ‥サンクヮブツ【窒素酸化物】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
【Ⅰ】NOxで表される化合物の総称.一酸化二窒素N2O,一酸化窒素NO,三酸化二窒素N2O3,二酸化窒素NO2,四酸化二窒素N2O4,五酸化二窒素N2O5,三酸化窒素NO3の7種類が知られている.【Ⅱ】公害用語としては,NOとNO2の総称.略称NOx.おもに燃料の燃焼によって生じる.このとき最初にできるものは大部分がNOであり,NOは空気中で酸化されてNO2となる.大部分は燃焼のときの高温により,空気中の N2 と O2 が化合してできるが(熱的NOx),一部は燃料中の窒素化合物に起因する(燃料NOx).そのほか,硝酸製造工場,火薬製造工場から排出されることもある.純粋なNO-O2混合物でのNOのNO2への酸化反応
(2NO + O2 = 2NO2)
は三分子反応の例として古くから知られている.この反応はNO濃度に関し二次であるため,NO濃度がいちじるしく低いとき(ppm 程度),その酸化はきわめて遅いが,普通の濃度ではすみやかである.都市の汚染大気中でのNOの酸化反応は複雑であり,純粋なNO-O2混合物の場合とは同列に論じられない.都市大気中のNO2の環境濃度は都市により年平均値0.01~0.06 ppm で,一方,人工的汚染のない自然界でのNO2濃度は約0.004 ppm である.窒素酸化物の発生源は移動発生源(自動車など)と固定発生源(工場,事業所など)に大別され,発生総量における両者の割合は都市により大きく異なる.窒素酸化物の有害性に関しては,NOについては知られていないが,NO2は呼吸器深部の末梢気道に病変をもたらし,また感染症に対する抵抗力を弱める.動物実験の結果では0.5 ppm でこれらの悪影響が観察され,一方,ヒトに対する疫学調査では,NO2濃度年平均値約0.02 ppm 以上で持続性痰・咳の有症率の増加が認められる.NO2の環境基準は1978年に0.04~0.06 ppm,またはそれ以下と定められた.NO2はそれ自身の有害性のほか,太陽光線中の300~400 nm の波長光を吸収して解離し,光化学スモッグの引き金反応となる.現在,わが国では,大気中のNOxの濃度測定には,おもにザルツマン法が用いられているが,ケミルミネセンス法,そのほかの方法もある.NOx発生の低減技術としては,良質燃料の使用,燃焼装置・方法の改良および排煙脱硝があるが,省資源の点からも,燃料の使用量そのものを節減する工夫も重要である.なお,NO2汚染のいちじるしい地域に対しては,NOx排出量が総量規制されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
窒素の酸化物全体をさしていうが、普通は大気汚染源となる窒素酸化物をいうことが多い。通常の分析法では、一酸化窒素と二酸化窒素の総量が定量されるので、両者はまとめて窒素酸化物NOxとして扱われる。大気中で一酸化窒素から二酸化窒素が生成する反応は複雑である。大気の酸素による酸化反応は比較的遅く、これに、二酸化窒素が日光で解離して酸素原子を生じる反応、微量に存在する有機物によって窒素酸化物が消費されてオキシダントを生成する反応などが絡み合っている。
[守永健一]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
(畑明郎 大阪市立大学大学院経営学研究科教授 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
… 現在,ガソリンエンジンは乗用車用エンジンをはじめ,オートバイ,小型のトラック,バスや特殊自動車,モーターボート,軽飛行機の原動機として利用されているほか,農林・水産・土木・建設・一般産業用の各種小型作業機の駆動にも広く用いられている。
[公害対策]
ガソリンエンジンは現在小型の自動車駆動用として多数使用され,その排気ガス中に含まれる一酸化炭素CO,炭化水素HC,窒素酸化物NOxは大気汚染の原因としてきびしく規制されている。これらの成分の生成原因の概要は,COは燃料の不完全燃焼により,HCは燃焼室壁面での消炎,失火や,混合気の素通りにより生じ,またNOxは空気中の窒素と酸素が燃焼時の高温により反応して生成される。…
…汚染物質の大気中への放出速度が大気の自浄作用速度をこえると,大気汚染は全地球的なスケールで増加する。成層圏に放出される超音速ジェット機の窒素酸化物や,溶剤,冷媒につかわれて地表から拡散するフッ化炭化水素類(商品名フレオン)はオゾン層を破壊する恐れがある。また20世紀に入ってからの化石燃料の大量消費は,大気中の炭酸ガス濃度をゆっくりと上昇させている。…
※「窒素酸化物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
少子化とは、出生率の低下に伴って、将来の人口が長期的に減少する現象をさす。日本の出生率は、第二次世界大戦後、継続的に低下し、すでに先進国のうちでも低い水準となっている。出生率の低下は、直接には人々の意...
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/26 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典を更新
10/19 デジタル大辞泉プラスを更新
10/19 デジタル大辞泉を更新
10/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新