復活(読み)ふっかつ

精選版 日本国語大辞典の解説

ふっ‐かつ フククヮツ【復活】

[1] 〘名〙
① 生き返ること。よみがえること。蘇生。
※各人心宮内の秘宮(1892)〈北村透谷〉「古代の〈略〉理想的精神を復活(フククヮツ)せしめ」 〔晉書‐顔含伝〕
② いったん廃止、停止していたもの、または破壊されたものなどがもとどおりになること。もとの状態にもどること。再興。復興。
※東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉二月暦「京雛なんど云ふ古雅なものが、多少復活(フククヮツ)したと云ふ気味が有る」
③ キリスト教で、イエス‐キリストがその死後生き返ったとする信仰。いったん死んだ人が再び生き返るとする信仰。
※基督信徒の慰(1893)〈内村鑑三〉一「宗教の助あり、復活の望みあり」
[2] (原題Voskrjesjenije) 長編小説。トルストイ作。一八九九年成立。若い貴族ネフリュードフが、かつて自分の誘惑した娘カチューシャが無実の女囚となっているのに出会い、悔恨と良心の自覚によって彼女を救おうとし、みずからも精神的に復活するまでを描く。

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デジタル大辞泉プラスの解説

復活

韓国のテレビドラマ。2005年6月放映開始(全24話)。出演は、オム・テウン、ハン・ジミン、コ・ジュウォンほか。

復活

オーストリアの作曲家グスタフ・マーラー交響曲第2番(1888~94、1903)の標題。原題《Auferstehung》。第4、5楽章にソプラノ、アルト独唱、および混声合唱が加わる。名称は第5楽章で歌われる、フリードリヒクロプシュトック賛歌『復活』に由来する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

復活
ふっかつ
Resurrection

キリスト教教義の一つ。キリストの復活と死者ないし肉身の復活の2つを含む。 (1) キリストの復活とは,キリストが死後3日目に肉体をもってよみがえり,人々と語り食事をして常の人のようにふるまい,11人の使徒に布教活動を命じ,弟子たちに希望を与えたことをさす。このことは旧約成就であり,神の恩恵による人間の罪のゆるし,恩恵による肉体のと罪の克服であり,人間の肉体の復活の根拠とされる。 (2) 死者の復活とは,この世の終末における救いを告げるキリストの復活によって保障されるもので,キリストの再臨によって救いが成就されるとき,死者の肉体と霊魂が再び合体することをいい,この復活によって人類の死と罪が克服されることになる。

復活
ふっかつ
Voskresenie

ロシアの作家 L.トルストイの長編小説。 1889~99年発表。著名な法律家コーニから聞いた話にヒントを得たもので,当初『コーニの手記』 Konevskaya povest'と名づけられた。主人公ネフリュードフ公爵は,陪審員として出席した法廷で,被告売春婦がかつて自分が犯したカチューシャと知り,良心呵責に悩み,流刑地シベリアまで彼女を追っていく。カチューシャはネフリュードフの奔走特赦を受けるが,彼との結婚を拒絶,政治犯の囚人とともに旅を続ける。作者は,主人公の心理を宗教的転向後の道徳観,宗教観にそって克明に描き,専制と教会に強く抗議したため,1901年に正教会から破門された。

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デジタル大辞泉の解説

ふっかつ【復活】[書名・曲名]

《原題、〈ロシア〉Voskresenieレフ=トルストイの長編小説。1899年発表。かつて自分が誘惑した娘カチューシャが無実の罪に問われているのを知ったネフリュードフ公爵が、良心の呵責(かしゃく)から救出活動に奔走し、精神的復活を果たす過程のなかに、社会の不正・腐敗に対する批判を織り込む。
《原題、〈ドイツ〉Auferstehungマーラーの交響曲第2番の標題。ハ短調。全5楽章。1894年作曲。1903年改訂。第4、第5楽章にソプラノ、アルト独唱、および混声合唱が加わる。名称は第5楽章で歌われる賛歌の歌詞に用いられた、フリードリヒ=クロプシュトックによる同名の詩に由来する。

ふっ‐かつ〔フククワツ〕【復活】

[名](スル)
死んだものが生き返ること。よみがえること。蘇生(そせい)。
いったん廃止したものなどを再びもとの状態に戻すこと。また、消失したものが、再びもとの状態に戻ること。「旧制度が復活する」
キリスト教で、十字架上で死んだイエス=キリストがよみがえったことをいい、キリスト教の最も中心的な信仰内容。イエスの復活は罪と死に対する勝利であり、神の愛による人類の救いの完成という意味をもつ。
[補説]作品名別項。→復活

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百科事典マイペディアの解説

復活【ふっかつ】

L.トルストイの小説。《Voskresenie》。1899年作。かつて自分が堕落させた娘カチューシャ・マースロワを無実の罪から救おうとする青年貴族ネフリュードフの奔走,良心の悩みを描きながら,当時のロシア社会の不正・虚偽を徹底的にあばき出したトルストイ晩年の傑作。日本では,島村抱月脚色,松井須磨子主演で1914年上演され,異常な人気を博し,劇中の《カチューシャの唄》(相馬御風作詞,中山晋平作曲)も流行,翌年レコード化。
→関連項目カチューシャ芸術座

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旺文社世界史事典 三訂版の解説

復活
ふっかつ
Voskresenie

ロシアの文豪トルストイの長編小説
1899年刊。平民の娘カチューシャを犯して堕落させた青年貴族ネフリュードフの悔悟と償いの過程を描き,社会制度を批判した人道主義力作

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世界大百科事典 第2版の解説

ふっかつ【復活 Resurrection】

死んだイエスが甦(よみがえ)ったという主張で,キリスト教の使信中核をなす考え方。もっとも死人が再び甦るという思想はキリスト教に限られているわけではなく,仏教においてもみられるし,さらに新約聖書においても,イエスに限らず何人かの甦りについて語られている(《マルコによる福音書》5:21以下,6:14,《ルカによる福音書》7:11以下,《ヨハネによる福音書》11:17以下,《マタイによる福音書》27:52)。

ふっかつ【復活 Voskresenie】

ロシアの作家L.N.トルストイの長編小説。友人の法律家A.F.コーニから聞いた実話に基づき,1889年《コーニの話Konevskaya povest’》という表題で書き始められた。一時中断していたが,ドゥホボル派信者のカナダ移住のための基金を得る目的で,99年週刊誌《ニーワ》にレオニード・パステルナーク(詩人B.L.パステルナークの父)の挿絵入りで連載発表され,同時にドイツ,イギリス,フランスで翻訳出版され,世界的な反響を呼んだ。

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世界大百科事典内の復活の言及

【キリスト教】より

…しかし,われわれが現在何の抵抗も感じないで使っている言葉のなかには〈世俗化〉されたキリスト教の用語が多くふくまれている。代表的なものとして〈十字架〉〈復活〉〈福音〉〈バイブル(聖書)〉〈三位一体〉〈洗礼〉〈終末〉〈天国〉などを挙げることができよう。これらの言葉がしばしばキリスト教的起源をはっきり意識しないで用いられている事実(たとえば苦痛や犠牲を〈十字架〉,必読書を〈バイブル〉などと比喩的に呼ぶ場合)は,ある意味でキリスト教の土着化のしるしとみなされよう。…

【魚】より

…しかし,魚は,古くから生命の豊饒,とりわけ海や川の幸の象徴として用いられてきたのであり,そのことは地中海世界やナイル川流域に限らず,広く世界の民俗学的事実として知られている。したがって,キリスト教象徴主義の影響は,魚を単に生命原理としてではなく,復活のイエスの象徴としてそこに新たな意味を添加した点に求められるべきであろう。魚と復活のキリストとの結合については,《ヨハネによる福音書》の21章に関連記事がある。…

【マリア[マグダラの]】より

…かつて遊女であったが,悔い改めイエスに献身的に仕えた。イエスの処刑,埋葬に立ち会い(《マタイによる福音書》27:56,《マルコによる福音書》15:47),墓を訪ねて復活したイエスに接した(《マルコによる福音書》16:1~8)。またイエスは復活後最初に彼女の前に現れた(《ヨハネによる福音書》20:11~18)。…

【ヨナ】より

…【西村 俊昭】
[図像]
 後者のヨナの物語は,初期キリスト教美術に最も多く見られる題材のひとつである。この物語が死と復活を暗示するところから,石棺浮彫などの葬祭芸術にしばしばとりあげられた。3世紀末の石棺(ラテラノ美術館,ローマ)には,旧・新約の諸場面とともに,舟から海に投げ込まれて大蛇のような魚に呑まれるヨナ,陸に吐き出されるヨナ,トウゴマの下に裸体で横たわるヨナの場面が見られる。…

【ラザロ】より

…エルサレム郊外のベタニアに住む。《ヨハネによる福音書》第11章によれば,病のため死去したが,その4日後,布教先から帰ったキリストが,墓の前で祈り呼びかけると,奇跡的に蘇生した(ラザロの復活)。キリストの死後も福音伝道に尽くし,伝説上の殉教地は,西方ではマルセイユ,東方ではキプロス島とされる。…

【リンボへの降下】より

…聖書の正典中には明確に語られていないが,新約外典の《ニコデモによる福音書》に詳述されているイエス・キリスト伝中の説話。キリストは〈埋葬〉と〈復活〉の間に〈リンボ〉に降り,彼が福音をもたらす以前に生きた正しき人々を救い出して,天国に連れのぼる。なお,リンボとは〈縁〉を意味するラテン語のlimbusに由来し,地獄と天国との中間にある霊魂の住む場所をいう。…

【松井須磨子】より

島村抱月との恋愛で協会を除名され,大学教授の座を追われた抱月と芸術座という劇団を1913年(大正2)に結成,女座長として以後毎公演の主役を演じ続けた。劇中歌を歌うのがその演出の特色で,特に《復活》のカチューシャ(〈カチューシャ可愛や〉の歌),サロメが評判であった。中村吉蔵の創作劇や自宅に隣接した芸術俱楽部での小公演は,芸術的な活動であった。…

※「復活」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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