デジタル大辞泉
「復活」の意味・読み・例文・類語
ふっかつ【復活】[書名・曲名]
《原題、〈ロシア〉Voskresenie 》レフ=トルストイ の長編小説。1899年発表。かつて自分が誘惑した娘カチューシャ が無実の罪に問われているのを知ったネフリュードフ公爵が、良心の呵責 かしゃく から救出活動に奔走し、精神的復活を果たす過程のなかに、社会の不正・腐敗に対する批判を織り込む。 《原題、〈ドイツ〉Auferstehung 》マーラー の交響曲第2番の標題。ハ短調。全5楽章。1894年作曲。1903年改訂。第4、第5楽章にソプラノ 、アルト独唱、および混声合唱 が加わる。名称は第5楽章で歌われる賛歌の歌詞に用いられた、フリードリヒ=クロプシュトック による同名の詩に由来する。
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ふっ‐かつフククヮツ 【復活】
[ 1 ] 〘 名詞 〙 ① 生き返ること。よみがえること。蘇生。[初出の実例]「古代の〈略〉理想的精神を復活(フククヮツ) せしめ」(出典:各人心宮内の秘宮(1892)〈北村透谷〉) [その他の文献]〔晉書‐顔含伝〕 ② いったん廃止、停止していたもの、または破壊されたものなどがもとどおりになること。もとの状態にもどること。再興。復興。[初出の実例]「京雛なんど云ふ古雅なものが、多少復活(フククヮツ) したと云ふ気味が有る」(出典:東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉二月暦) ③ キリスト教で、イエス‐キリストがその死後生き返ったとする信仰。いったん死んだ人が再び生き返るとする信仰。[初出の実例]「宗教の助あり、復活の望みあり」(出典:基督信徒の慰(1893)〈内村鑑三〉一) [ 2 ] ( 原題[ロシア語] Voskrjesjenije ) 長編小説。トルストイ 作。一八九九年成立。若い貴族ネフリュードフが、かつて自分の誘惑した娘カチューシャが無実の女囚となっているのに出会い、悔恨と良心の自覚によって彼女を救おうとし、みずからも精神的に復活するまでを描く。
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復活 (ふっかつ) Resurrection
目次 図像 死んだイエスが甦(よみがえ)ったという主張で,キリスト教の使信の中核をなす考え方。もっとも死人が再び甦るという思想はキリスト教に限られているわけではなく,仏教においてもみられるし,さらに新約聖書 においても,イエスに限らず何人かの甦りについて語られている(《マルコによる福音書》5:21以下,6:14,《ルカによる福音書》7:11以下,《ヨハネによる福音書》11:17以下,《マタイ による福音書》27:52)。しかし新約聖書は,イエスの復活はそれらとは異なって,まったく新しい生命への甦りの〈初穂〉であったと主張する。その最古の証言は,パウロの《コリント人への第1の手紙》15章3節以下に記されている初代教会の宣教の短い要約であり,福音書に記されている実体的な復活の詳細な描写の成立は,福音書成立がかなり遅い時期であることからしても明らかなとおり,それに後続するものであろう。注目すべきことに,パウロは上掲の個所で,みずからの〈内に〉啓示されたイエスの復活のできごと (《ガラテヤ人への手紙》1:16)を,他の使徒たちが体験した復活のイエスとの出会いのできごとと同一視している。このことは,イエスの復活のただ実体的な理解のみでなく,内面における〈信仰的・実存的〉な理解の必要を示していると言ってよいであろう。さらに,十字架刑(磔刑)に処せられた1人の人物の復活という思想の中には,その無残な死とそれに至るまでのイエスの生涯に対する神の〈肯定〉が語られているのだ,との新約聖書の主張が正しいものだとするならば,そこではその復活と生前のイエスの使信との間の有機的な関連こそまず問われなくてはならないであろう。 執筆者:青野 太潮
図像 〈復活〉は初期キリスト教美術においては,〈磔刑〉と同じように,象徴的にしか表現されていない。石棺の浮彫には,クリスモン と月桂冠 を飾った十字架の両側に,2人の眠る兵士(イエス・キリストの墓を見守るためにつかわされた兵士)を配し,〈復活〉の図像であることを示唆する表現が見いだされる。また新約聖書の〈ラザロ の復活〉,旧約聖書 のダニエル やヨナ の物語などが〈復活〉の予型として用いられることもある。墓を訪れる2人または3人の聖女たちによってこの主題を間接的に表す方法は,西欧中世において早くから用いられた。墓の前に天使が座り,右手を挙げて,没薬や乳香をもって訪れて来た聖女たちにキリストの復活を告げている。番兵たちはその周囲で眠るか,意識を失ったように倒れている。また復活後,マグダラ のマリアの前に現れるキリスト(〈ノリ・メ・タンゲレNoli me tangere(我に触るるな)〉)によっても〈復活〉が示唆されることがある。ビザンティン美術 においては,〈キリストのリンボへの降下 (アナスタシス )〉が〈復活〉に代わって用いられた。西欧においては,中世後期から,墓の中から復活するキリスト自身を明示する表現が主流となる。キリストは墓(石棺)の中に立つか,縁石に足をのせるか,墓をまたぐか,墓の前に立つか,あるいは石棺の蓋石の上に立つかのいずれかの動作を行っている(時として兵士の一人の上に足をのせていることもある)。その手には十字架のついた旗が握られている。さらに14世紀のイタリアでは,キリストが石棺の上空に光り輝いて浮かびあがる表現が誕生する。グリューネワルト の〈復活〉のキリスト(《イーゼンハイムの祭壇画》)は〈変容〉のときのように燦然(さんぜん )と輝く光輪に包まれて中空に舞い上がっている。反宗教改革期以後,神学者たちはキリストの復活の奇跡を強調するために,墓の蓋は閉じられていなければならないと主張したが,芸術家たちは必ずしもこの忠告に従ってはいない。 執筆者:荒木 成子
復活 (ふっかつ) Voskresenie
ロシアの作家L.N.トルストイの長編小説。友人の法律家A.F.コーニから聞いた実話に基づき,1889年《コーニの話Konevskaya povest’》という表題で書き始められた。一時中断していたが,ドゥホボル派信者のカナダ移住のための基金を得る目的で,99年週刊誌《ニーワ》にレオニード・パステルナーク(詩人B.L. パステルナークの父)の挿絵入りで連載発表され,同時にドイツ,イギリス,フランスで翻訳出版され,世界的な反響を呼んだ。貴族ネフリュードフは青年時代,伯母の小間使カチューシャ・マースロワを誘惑して捨て,そのため彼女は堕落して売春婦となり,法廷の手続ミスのためシベリア 送りとなる。罪の意識を覚えたネフリュードフは彼女を救うために努力し,自らもシベリアに赴く。《復活》の評価は,メロドラマ と見る大衆的な受入れ方から,傾向的な教訓小説とする見方まで,多様である。だが,この作品の特徴は,当時のロシア社会のあらゆる部分に光があてられていることで,裁判所,教会など既成の権力に対する厳しい批判が随所に見える。この宗教批判が原因となって,トルストイは1901年に正教会から破門されたのであった。
日本では,早くも1905年に内田魯庵訳の《復活》が発表されている。ついで14年,島村抱月 の翻訳・脚色で帝国劇場 で上演(主演は松井須磨子 と横川唯治)され,空前の成功を収めた。カチューシャの名を冠した髪形,櫛,絵はがきまでが作られた。とくに劇中で歌われた《カチューシャの唄》(中山晋平作曲)は,〈歌謡曲 の誕生〉といわれるほどの流行ぶりを示した。 執筆者:川端 香男里
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復活(キリスト教) ふっかつ anastasis ギリシア語 resurrection 英語 résurrection フランス語 Auferstehung ドイツ語
死者がよみがえること。キリスト教では、イエスが死んだのちに朽ちない体でよみがえったことをさし、キリスト教の重要な教理の一つ。『旧約聖書』で死人の復活についてはっきり述べているのは「イザヤ書 」(26章19)と「ダニエル書」(12章2)である。『新約聖書』で死人の復活は、息を吹き返したヤイロの娘(「マルコ伝福音(ふくいん )書」5章21~23)やベタニヤのラザロ(「ヨハネ伝福音書 」11章1~44)などの場合とは区別される。この場合はやがてまた死んで朽ち果てる体(同じ元の肉体)に蘇生(そせい)しただけである。死人の復活は、もはや死ぬことのない朽ちない栄光の体によみがえることである(「ロマ書」6章9、「コリント書I」15章42~54)。したがって『新約聖書』でいう復活は、ギリシア的人間観でいう、肉体と霊魂とが相反し、死によって霊魂が肉体から解放され、永続するという、肉体を蔑視(べっし)する思想に基づいたものではない。
使徒パウロによれば、死人の復活はある(「コリント書I」15章12~22)。そしてその証拠にイエス・キリストは初穂として復活した(「コリント書I」15章20)という。キリストの復活の証拠は、聖書とキリストの預言(「コリント書I」15章4、「マタイ伝福音書 」16章21)、空虚な墓(「ルカ伝福音書 」24章1~9)、弟子たちへの顕現(「ヨハネ伝福音書」20章19~29、「コリント書I」15章5~8)である。キリストの復活の意味は、彼が神の子であることの証明(「ロマ書」1章4)であり、罪人のために十字架上でなされた贖罪(しょくざい)の完成であり(「使徒行伝 (ぎょうでん)」2章32~36、「ロマ書」4章25)、またキリストを信じる者が復活して、いつも主とともにいるための保証である(「ロマ書」6章8、「テサロニケ書I」4章14~17)。
復活には順序があって、最初はキリスト、次にキリストの再臨のときにキリストに属する者たちである(「コリント書I」15章23、「テサロニケ書I」4章14)。やがては不信者も復活するのであるが、それは、キリスト者が生命を受けるために復活するのに対し、不信者は審(さば)きを受けるために復活するのである(「ヨハネ伝福音書」5章29)。
[野口 誠]
復活(トルストイの小説) ふっかつ Воскресение/Voskresenie
ロシアの作家レフ・トルストイの長編小説。1899年刊。巨大な歴史小説『戦争と平和』、19世紀末の愛と生の情念を描く『アンナ・カレーニナ』とともに彼の三大作品と称される。
女囚マースロワの裁判に陪審員として臨席したネフリュードフ公爵は、裁きを受けるべき目の前の被告が、彼が青年時代に情欲のままに犯した小間使カチューシャであることを知り、驚きと悔恨に良心を責められる。彼女は妊娠を理由に彼の伯父の邸(やしき)を追われ、娼婦(しょうふ)に身を落とし、ある商人を毒殺したという科(とが)で法廷に引き出されていた。裁決が下り、無実でありながら手続の誤りで彼女はシベリア流刑 となるが、ネフリュードフは不幸をもたらした罪を償うために彼女との結婚を決意し、後を追う。シベリアへの途次、彼はなにくれとなく彼女を保護し、刑事犯の組から政治犯の組へ組み入れて労働を軽減させるなどするが、その政治犯のなかにいた1人の若者シモンソンから彼女との結婚を知らされ、新たな悩みに思い苦しむ。しかし、実はこの結婚には、カチューシャがネフリュードフの将来を思い、心では彼を愛しながらも、やむをえず別れる、という事情の介在があった。そして、ある一夜、ネフリュードフは宿屋で聖書を開き、福音書(ふくいんしょ)のなかに自らの更生の道しるべ をみいだす。
円熟したみごとな心理描写、当時の社会組織や法律の不備を鋭くえぐる筆致、70歳を過ぎてもなおトルストイが偉大な作家であることの特質をよく示すこの作品は、知人コーニから聞いた話を骨子として書かれたので、初めは「コーニの手記」と題されていた。なお、作者は作品中でギリシア正教を批判したことが遠因となって、1901年宗務省から破門された。日本では1914年(大正3)に島村抱月(ほうげつ)の芸術座で上演されて以来、広く『カチューシャ物語』の名で知られている。
[中村 融]
『『復活』(中村白葉訳・岩波文庫/原久一郎訳・新潮文庫/米川正夫訳・角川文庫)』
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復活【ふっかつ】
L.トルストイ の小説。《Voskresenie》。1899年作。かつて自分が堕落させた娘カチューシャ・マースロワを無実の罪から救おうとする青年貴族ネフリュードフの奔走,良心の悩みを描きながら,当時のロシア社会の不正・虚偽を徹底的にあばき出したトルストイ晩年の傑作。日本では,島村抱月 脚色,松井須磨子 主演で1914年上演され,異常な人気を博し,劇中の《カチューシャの唄》(相馬御風 作詞,中山晋平 作曲)も流行,翌年レコード化。 →関連項目カチューシャ |芸術座
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復活 ふっかつ Voskresenie
ロシアの作家 L.トルストイ の長編小説。 1889~99年発表。著名な法律家コーニから聞いた話にヒントを得たもので,当初『コーニの手記』 Konevskaya povest'と名づけられた。主人公ネフリュードフ公爵は,陪審員として出席した法廷で,被告の売春婦がかつて自分が犯したカチューシャと知り,良心の呵責に悩み,流刑地シベリアまで彼女を追っていく。カチューシャはネフリュードフの奔走で特赦を受けるが,彼との結婚を拒絶,政治犯の囚人とともに旅を続ける。作者は,主人公の心理を宗教的転向後の道徳観,宗教観にそって克明に描き,専制と教会に強く抗議したため,1901年に正教会から破門された。
復活 ふっかつ Resurrection
キリスト教教義の一つ。キリストの復活と死者ないし肉身の復活の2つを含む。 (1) キリストの復活とは,キリストが死後3日目に肉体をもってよみがえり,人々と語り食事をして常の人のようにふるまい,11人の使徒に布教活動を命じ,弟子たちに希望を与えたことをさす。このことは旧約の成就であり,神の恩恵による人間の罪のゆるし,恩恵による肉体の死と罪の克服であり,人間の肉体の復活の根拠とされる。 (2) 死者の復活とは,この世の終末における救いを告げるキリストの復活によって保障されるもので,キリストの再臨によって救いが成就されるとき,死者の肉体と霊魂が再び合体することをいい,この復活によって人類の死と罪が克服されることになる。
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普及版 字通
「復活」の読み・字形・画数・意味
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復活〔曲名〕
オーストリアの作曲家グスタフ・マーラーの交響曲第2番(1888~94、1903)の標題。原題《Auferstehung》。第4、5楽章にソプラノ、アルト独唱、および混声合唱が加わる。名称は第5楽章で歌われる、フリードリヒ・クロプシュトックの賛歌『復活』に由来する。
復活〔ドラマ〕
韓国のテレビドラマ。2005年6月放映開始(全24話)。出演は、オム・テウン、ハン・ジミン、コ・ジュウォンほか。
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復活 ふっかつ Voskresenie
ロシアの文豪トルストイの長編小説 1899年刊。平民の娘カチューシャを犯して堕落させた青年貴族ネフリュードフの悔悟と償いの過程を描き,社会制度を批判した人道主義の力作。
出典 旺文社世界史事典 三訂版 旺文社世界史事典 三訂版について 情報
復活
失効した保険を所定の手続きを行って元に戻すことを指しいます。失効してから3年以内で被保険者の健康状態に異常がなければ、告知と延滞保険料の払込みを行って復活できます。
出典 みんなの生命保険アドバイザー 保険基礎用語集について 情報
世界大百科事典(旧版)内の 復活の言及
【キリスト教】より
…しかし,われわれが現在何の抵抗も感じないで使っている言葉のなかには〈世俗化〉されたキリスト教の用語が多くふくまれている。代表的なものとして〈十字架〉〈復活〉〈福音〉〈バイブル(聖書)〉〈三位一体〉〈洗礼〉〈終末〉〈天国〉などを挙げることができよう。これらの言葉がしばしばキリスト教的起源をはっきり意識しないで用いられている事実(たとえば苦痛や犠牲を〈十字架〉,必読書を〈バイブル〉などと比喩的に呼ぶ場合)は,ある意味でキリスト教の土着化のしるしとみなされよう。…
【魚】より
…しかし,魚は,古くから生命の豊饒,とりわけ海や川の幸の象徴として用いられてきたのであり,そのことは地中海世界やナイル川流域に限らず,広く世界の民俗学的事実として知られている。したがって,キリスト教象徴主義の影響は,魚を単に生命原理としてではなく,復活のイエスの象徴としてそこに新たな意味を添加した点に求められるべきであろう。魚と復活のキリストとの結合については,《ヨハネによる福音書》の21章に関連記事がある。…
【マリア[マグダラの]】より
…かつて遊女であったが,悔い改めイエスに献身的に仕えた。イエスの処刑,埋葬に立ち会い(《マタイによる福音書》27:56,《マルコによる福音書》15:47),墓を訪ねて復活したイエスに接した(《マルコによる福音書》16:1~8)。またイエスは復活後最初に彼女の前に現れた(《ヨハネによる福音書》20:11~18)。…
【ヨナ】より
…【西村 俊昭】[図像] 後者のヨナの物語は,初期キリスト教美術に最も多く見られる題材のひとつである。この物語が死と復活を暗示するところから,石棺浮彫などの葬祭芸術にしばしばとりあげられた。3世紀末の石棺(ラテラノ美術館,ローマ)には,旧・新約の諸場面とともに,舟から海に投げ込まれて大蛇のような魚に呑まれるヨナ,陸に吐き出されるヨナ,トウゴマの下に裸体で横たわるヨナの場面が見られる。…
【ラザロ】より
…エルサレム郊外のベタニアに住む。《ヨハネによる福音書》第11章によれば,病のため死去したが,その4日後,布教先から帰ったキリストが,墓の前で祈り呼びかけると,奇跡的に蘇生した(ラザロの復活)。キリストの死後も福音伝道に尽くし,伝説上の殉教地は,西方ではマルセイユ,東方ではキプロス島とされる。…
【リンボへの降下】より
…聖書の正典中には明確に語られていないが,新約外典の《ニコデモによる福音書》に詳述されているイエス・キリスト伝中の説話。キリストは〈埋葬〉と〈[復活]〉の間に〈リンボ〉に降り,彼が福音をもたらす以前に生きた正しき人々を救い出して,天国に連れのぼる。なお,リンボとは〈縁〉を意味するラテン語のlimbusに由来し,地獄と天国との中間にある霊魂の住む場所をいう。…
【松井須磨子】より
…[島村抱月]との恋愛で協会を除名され,大学教授の座を追われた抱月と[芸術座]という劇団を1913年(大正2)に結成,女座長として以後毎公演の主役を演じ続けた。劇中歌を歌うのがその演出の特色で,特に《復活》のカチューシャ(〈カチューシャ可愛や〉の歌),サロメが評判であった。中村吉蔵の創作劇や自宅に隣接した芸術俱楽部での小公演は,芸術的な活動であった。…
※「復活」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」