トゥトゥオラ(その他表記)Tutuola, Amos

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トゥトゥオラ」の意味・わかりやすい解説

トゥトゥオラ
Tutuola, Amos

[生]1920.6. イギリス保護領ナイジェリア,アベオクタ
[没]1997.6.8. ナイジェリア,イバダン
ナイジェリアの小説家。ヨルバ族出身。英語で執筆。カカオ農園で働く農民の子で,両親ともキリスト教徒。苦学して高等学校に学んだが中退鍛冶屋の技術を習得し,のちイギリス空軍に勤務。第2次世界大戦後はラゴスの労働局で働く。ムバリ作家芸術家クラブの設立委員を務め,1956年から勤めたナイジェリア放送を退職後,1976年からサンヨーなどの電気製品販売業を営んだ。1979年ドイツのイェナ大学(のちのフーリドリヒ・シラー大学)客員作家となる。作品は「ヤング・イングリッシュ」といわれた奇妙な破格英語を使い,ヨルバ民話に取材したジャングルのなかの霊的物語,民話,空想物語などを好んで素材とし,非現実的な世界を描いた。独特のアフリカのイメージに満ちたその作品は,アフリカよりもヨーロッパ諸国など外国に多くの読者をもつ。ラゴスの労働局に勤めていた頃に書いた代表作『やし酒飲み』The Palm-Wine Drinkard(1952)が特に有名。ほかに『ジャングル放浪記』My Life in the Bush of Ghosts(1954),『ジャングルの羽根女』The Feather Woman of the Jungle(1962),『ヨルバ民話集』Yoruba Folktales(1986)など。(→アフリカ文学

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