ヨルバ族(読み)ヨルバぞく(英語表記)Yoruba

翻訳|Yoruba

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨルバ族」の意味・わかりやすい解説

ヨルバ族
ヨルバぞく
Yoruba

ナイジェリア南西部およびベナン東部,トーゴ北部に散在する民族。人口は 2400万人をこえると推定される。言語はニジェール=コンゴ語派のクワ諸語に属する。かつては,イフェ,オヨイバダンなどの首長国が,連邦的な政治組織を形成していたが,文化英雄オドゥドゥワの降臨地である宗教都市イフェの王を盟主とするゆるやかな宗教的紐帯にすぎなかった。のちにオヨが軍事的に台頭し,権威が二元化した。各分国の王の権力は議会にきびしく抑制され,また重要な政治機構である秘密結社の影響力も大きかった。相続,継承は父系をたどる。いくつかの父系リニージが共住して郷をつくり,郷は,ヨーロッパとの接触以前から著しく都市化していたこの社会の,地方行政単位となった。生業は,ヤムいも,とうもろこし,きび,シコクビエ,カカオなどの栽培である。女性は地方交易に従事し,農業と広域交易は男性が行い,ヨルバ商人は西アフリカ全域で有名。至高神と数百の下位神格を信仰する宗教は,奴隷とされた人々によって南アメリカに伝えられた。

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